スキップしてメイン コンテンツに移動

携帯電話(スマートフォンを含む)のバッテリーの扱い方に対する誤解

ネットを見るとバッテリーの充放電(特に充電)に関して色々言われています。
でも本当の結論は、

バッテリーの温度以外は気にするな!

で良いんですよね。

以下にその論拠を述べて行きます。

まずは、世間で言われているほとんどの管理の方法は、ニッケル系のバッテリーの充放電に関する情報であって、携帯電話に使用されているリチウムイオン系のバッテリーの話ではないこと。
この二つのバッテリーは全く性質が異なります。

その違いを無視しているのか、全く知らないのか、携帯電話の充電にもニッケル系のバッテリーの話を持ち込んでいるサイトが多すぎます。
一部の評論家さえ間違っています。
で、その根拠は「リチウムイオンバッテリー」で検索すると山のような情報が出てくる中、素人にもまぁまぁ分かりやすく書かれているのを探すのは大変です。
で、その中でも比較的分かりやすそうなのが、「1級電気工事施工管理技士、第三種電気主任技術者、電気通信工事担任者 DD1種」をお持ちで、その知識などは十分に信頼できる水口氏が書かれている以下のブログ。

https://e-f.jp/denki1/lithium.html

その中で、
リチウムイオン電池はメモリー効果が無いことから、携帯電話やスマートフォンを常に充電したままにしても、充電特性に悪影響はありません。しかし、メモリー効果による充電量の低減はなくとも、常時満充電による高温状態が継続していると、熱による劣化が進行してしまい、リチウムイオン電池の使用環境としては極めて過酷となり、寿命低下を引き起こすおそれがあります。

つまり、「過充電でバッテリーを傷めることはないけれど、過充電で熱を持つようであれば劣化するよ。」って理解で良いかと。
時々、充電時に本体が異様に熱くなるって話がありますけど、そんな人は要注意。
カバーをつけている人も放熱が不十分にならないよう注意が必要ですね。
でも普通に充電しても本体が熱を持っているのかちっとも分からんって状態であれば大丈夫と判断して良いと思っています。

この辺りは日刊工業新聞のサイトにある「リチウムイオン電池の基本」という PDF にも
「リチウムイオン電池はメモリー効果がありません。使いたいときに使い(放 電し)、充電したいときに充電する、いわゆる継ぎ足し充電が可能です」と記述されていますね。

以下のウェブサイトが情報源です。

https://pub.nikkan.co.jp/uploads/book/pdf_file4fa08a3c3ccbf.pdf

ここも情報の信頼度は高いはずです。

で、最も素人向けの情報が、アップルのサイトにあります。

なぜリチウムイオンなのか?

http://www.apple.com/jp/batteries/why-lithium-ion/

ここには
・利便性のためにすばやく充電。
・耐用性のためにゆっくり充電。
の二つの充電方法を組み合わせて利便性と耐用性を両立させているということが述べられていますが、他の資料を見てもこれがリチウムイオンバッテリーの標準的な充電方法ですので、他社の場合も同じでしょう。

そしてここにも

極端な周囲温度を避ける。
最適な範囲は16°C〜22°Cです。特に重要なのは、35°Cを超える周囲温度にデバイスをさらさないことです。

と記載されてますから、日向は厳禁ですね。

特定の種類のケースに入れたままデバイスを充電すると、過度の熱が発生し、バッテリー容量に影響を及ぼす可能性があります。充電中にデバイスが熱くなったら、まずケースから取り出しましょう。

とも記述されています。
注意しましょう。

以下のアップルの情報も合わせて確認しておきましょう。

https://support.apple.com/kb/TA26689?locale=ja_JP&viewlocale=ja_JP

よければ過去記事も参考になるかも。



コメント

このブログの人気の投稿

iPhone を日常使う上での注意(ちょっとした不具合を解消するには)リセットの仕方

先日は バックアップの重要性 について書きましたが、今日は日常の注意を書いて見たいと思います。 まずは充電の方法から。 皆さん、充電時にはどんなことに注意していますか? 充電は、できるだけバッテリーを使い切るぐらいまで行わず、できれば80〜90%で終了させましょう・・・・なんてやっていませんか? 以前にも 充電について 書きましたが、基本的には「気にする事は無い!」です。 好きな時に充電をし、好きな時に終えれば良いです。 上記の注意は「ニッケル系」のバッテリー、つまり市販の単三型などの充電式バッテリーについての注意です。昔はニッケルカドミウム、今ではニッケル水素のバッテリーですね。 これは、時々リフレッシュさせる必要があります(昔の人工衛星も年に2回ほどリフレッシュ運用というものを行っていました)。 しかし、現在携帯電話に使用しているリチウムイオン系のバッテリーでは其の様な事は必要ありません。 と言うより、ニッケル系の様なリフレッシュ運用はかえってバッテリーの寿命を縮める(充放電回数を無意味に増やす)だけです。 バッテリー一般の注意である、充電中に熱を持たない様に注意する(寝る時に布団や枕に覆われた状態で充電するなど)こと、電子機器一般の注意である日向や暖房機の前に放置しない、などを守れば十分です。 何故かは良く分かりませんが、昔の iOS では充電時のマークが、稲妻マーク(充電中)とプラグマーク(充電器に接続されているが充電はされていない:充電は終了している)に分かれていました。 今は同じ稲妻マークだけですが、ひょっとしたらプラグマークになるとあわてて充電器から外そうとする人がいるのを懸念しての仕様変更かもしれません。 基本的に「充電器に接続されている」「Wi-Fi に接続されている」「スリープ状態にある」という三つの条件を満たしていれば、1日に一回「iCloud による自動バックアップ」が実行されます。 一番条件の揃いやすいのは就寝時ですよね? つまり少なくとも寝る前に充電を開始して、朝まで放置しましょうというのがアップルの考え方。その間にバックアップしておきますよという事ですね。 さてその寝る前にあなたは何かしていますか? 私はほぼ毎日、寝る前には動作しているアプリを全て終了させています。 「 何のため? 」それは

スマホの充電

今までも時々 充電に関する話 を書いておりますが、仕事の関係でちょっと調べ物をしていて、そのまま横道に逸れて(内緒ね)人工衛星のバッテリー設計の話をちょこっと摘んできました。 その中で、「放電深度」の話があって、ちょっと面白いので簡単に紹介しようと思います。 新品のリチウムイオンバッテリーがあるとしてその容量を分かりやすく1000mA/h とします。 100%充電されていたとして、そのバッテリーから1000mAの電気を取り出した時が100%、 500mAだけ取り出した時は 50% 、そして300mAしか取り出さなければ 30% を「放電深度」と言います。 よく言われるのは「 80% から 20% まで使って、また 80% まで充電するのが最も良い」と言うものですが、これは 前のブログ で間違っているよと言いました。 80% から 20% ならば 0.6 回利用した計算だよと。 で、最終的に何回充電出来るかは決まっていると書いたのですが、これが間違っていました。 これが放電深度100%では最も回数が少なく、放電深度を50%に(つまり 100% から 50% の間で充放電を繰り返す)と回数的には3倍以上の回数、つまり寿命が3倍以上になるとの 報告 などがあります。 さらに 30% に抑えるとさらに伸びます。 色々調べるとそれが当たり前の様です。 静止衛星の場合でも1日に一回充放電を繰り返すわけですが、周回の人口衛星だと1日に数回地球を回るので、充電期間(昼間上空を通過する時)と放電期間(夜間上空を通過する時)が1日に数回あるわけです。 そんな中で設計時の放電深度は25%程度で設計されている様です。 つまり、放電期間を終了して充電開始時に 75% 以上あって、充電期間を終了する時には100% まで充電されている。 もちろんその間地球観測の観測機械がフル稼働(特に光学観測の場合は昼間が観測時間帯です)してますから、もろに充電しながら使っている状態です。 スマホで「バッテリーが 75%に減ったら、即充電器に繋いで充電しながら使う」って言ったら「バカか! バッテリーがダメになるぞ」って脅されますよね。 でも人工衛星ではそれが常識みたい。 むしろバッテリーを少しでも長持ちさせるためにはその様にすべきの様です。 確か

Apple ID の変更方法

2017/06/10 :追記 Apple ID の変更方法が変更されました。 以下の最新情報をご確認下さい。 アップルIDの変更 Apple ID をキャリアのメールアドレスなどで作成し、その後にキャリアのメールアドレスを変更してしまい、困っている方が多い様です。 皆さん Apple ID に利用しているメールアドレスを変更すれば、iPhone に使用している Apple ID のメールアドレスも自動的に変更されるものと、勘違いしている様に思います。 また、Apple ID はキャリアのものと勘違いしているのか、キャリアを変更したのだから、Apple ID もそのまま、次のキャリアメールのアドレスになると思っている方も、おられるようです。 Apple ID はあくまでもAppleが発行するIDです。 キャリアとは無関係で、キャリアにそのIDに関する情報が渡ることもありませんし、キャリアの情報がAppleに渡ることもありません。 IDに使用するメールアドレスを変更したいのであれば、自分でAppleのウェブサイトで手続きする必要があります。 https://appleid.apple.com/ja_JP にアクセスすると、「Apple ID を管理」というボタンがあります。 そこで、現在の(あるいは勝手に変更してしまう以前の)メールアドレスでログインし、手続きをします。 ここで、新しく利用したいメールアドレスを追加すると、本人確認のメールがそのメールに届くので、メールに記載されているURLにアクセスすると、承認されます。 メールアドレスが承認されると、そのメールアドレスをIDに登録し直せます。 最終的にIDのメールアドレス変更直前に、iPhone(該当 iOS 機器やMac 全て)の iCloud と iTunes & App Store から一度ログアウトしてください。 その際に、iPhone にデータを残す必要はありません。 新しいメールアドレスの ID でログインすればまた同期されてデータが戻ります。 残してしまうと、再同期の際に間違ってマージしてしまい、データが二重登録される可能性があります。 もっとも再同期の際に間違えて、iPhone の(何もない)データで、iCloud を上書きすると、全てのデ

「iCloud では全てがバックアップ出来ない」という大誤解

iOS デバイスのバックアップについて ということで以下にアップルの公式サイトがあります。 https://support.apple.com/ja-jp/HT204136 ここには 【iTunes バックアップでは、デバイスのほぼすべてのデータと設定情報がバックアップされます。】 と 【iCloud バックアップでは、デバイスに保存されているほぼすべてのデータと設定情報がバックアップされます。】 と書かれてます。 「 デバイスのほぼすべてのデータ」と「 デバイス に保存されている ほぼすべてのデータ」の違いはなんだろうってツッコミは置いておいて、その後ろにはバックアップの対象外となる物が並んでます。 iTunes では「 iTunes から同期したコンテンツ (読み込んだ MP3 や CD、ビデオ、ブック、写真など)」が同期の対象外。 iCloud では「ほかのクラウドサービス (Gmail、Exchange メールなど) で保管されているデータ」が対象外。 その他には、 「iTunes Store および App Store から入手したコンテンツ、または iBooks に直接ダウンロードした PDF (このコンテンツは iTunes で「購入した項目を転送」を使ってバックアップできます。)」 とか 「iCloud ミュージックライブラリおよび App Store のコンテンツ (すでに購入済みのコンテンツは、iTunes Store、App Store、または iBooks Store で取り扱い継続中であれば、タップして再ダウンロードできます。)」 とあって、微妙な表現の違いはありますが、まぁ実用上は同じと考えて良さそうですよね。

データを失いたくなければ。

iPhone を安全に使うという意識が薄い方が多いようなので、私なりの考え方などを書いてみたいと思います。 先ずは iPhone に限らずスマートフォンを含む小型の電子機器に使用されているメモリーですが、 SD メモリーカードなども含めそんなに丈夫なものとは思ってません。 一寸した拍子にデータを失なう事は珍しくないでしょう。 ましてや落下の衝撃とか、水没で壊したらひとたまりもありません。 SD メモリーカードならば取出せますので、何とかデータを取り出せる可能性はありますが、 100% では有りません。 良く「 iPhone には大事な子供の写真が」等と言いながら、その大事なデータを iPhone にしか保存していない人は多いですね。 幸運にもデータを失くなう事なく2年経って機種変更しようとして始めて「データは引継げますか?」って、機械なんですから一生同じ本体を使うつもりだったの? って聞きたくなります。 連絡先とか、カレンダーとかも同じ事。 機種変したらとか、壊れたらとかは考え無いのですかね? データは大事だからこそ、その保護は真面目に考えないといけないのではないでしょうか? 仕事柄データの損失事故は結構経験しています。 その毎にバックアップの必要性とありがたみを実感します。 スーパコンピューターに使用されている、高性能なデータ保護機能を備えたハードディスクでさえデータが飛んだ経験をしています。 ましてやせいぜい10万円やそこらの価格の記憶装置の信頼性なんてたかが知れていると思いませんか? ですから大事なデータは2ヶ所以上の場所に保管する事が必要です。 その手法として基本となるのが、バックアップと同期です。 この2つの異いを理解していない人も多いですね。 さて、先ずは バックアップ の話から。 iPhone のバックアップはちょっと特殊です。 iPhone の中味をひと塊としてしか扱えません。 写真だけ取り出すとかは出来ない 仕組みです。 これは私の想像でしかありませんが、著作権の保護を考えての処置かなと思っています。 音楽等を勝手に取り出して違法コピー出来ない仕組みになってますね。 で、バックアップはパソコン無しでも出来る iCloud でのバックアップとパソコンの iTunes を使用する2つの方