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今一度、バックアップとか、データ移行に関する考察

最近知恵袋などを見ていても、データ移行とか、バックアップで迷っている人が多そうに感じたので、今一度整理してみようと思います。

バックアップの必要性

これは言うまでもないですよね?
iPhone の機種変更とか、本体交換修理で、今まで使っていた iPhone のデータを引き継ぎたいとか、それこそ故障でデータを失いたくないのであれば必要ですよね。

でも何故直ぐにサードパーティー製のソフトウェアに頼りたがるのでしょう?
まずは無料で、しかも iPhone の開発者であるアップルが提供する純正機能を利用した上で、より細かいところに手が届くサードパーティーのアプリを検討するのならば分かるのですけどね。

まずは、アップル純正のバックアップをきちんと行うことから始めましょうよ。
で、この純正のバックアップは2種類あります。

まず皆さんおなじみの iTunes(パソコン)によるバックアップ。
iTunes はCDなどから音楽を取り込みたいとか、オリジナルの着信音を作りたいとかであれば必須のアプリですね。

iPhone 4(iOS4)までは iPhone の使用にあたり、iTunes の利用は必須でした。
ですから購入時にインタネット接続できるパソコンを持っているか必ず聞かれたはずです。

そして、iCloud によるバックアップ。
こちらは iPhone 4s(iOS5)と同時に、それまで有料サービスだった「Mobile Me」のサービスが「iCloud」と名称を変え、無料で5GBのストレージ付きでのサービスになり、今度はこちらが iPhone 利用の上で必須の項目となり、パソコンは持っていなくても iPhone が利用出来る様になりました。

さて、iCloud によるバックアップと、iTune によるバックアップの違いはなんでしょう?

実はあまり無いんですね。
巷では、「完全なバックアップは iTunes でなければできない。」などという方がおられますが、そんな事はありません。
違いといえば、iTunes でのバックアップでは暗号化しないという選択肢がある程度。
暗号化しないと iPhone で設定している自動的に入力できるパスワードがバックアップされません。
これは普通は不便ですよね? となれば、暗号化するのが基本。であればどっちも一緒。

本当に同じなの?  って思った方。ある意味正解です。
というのは復元時にちょっと差が出てきます。

バックアップでは iPhone の中身が丸ごとバックアップされるという形になりますが、実は少々違っています。
特に iCloud の場合は全て丸ごとバックアップするとなると、データ量が多すぎて、通信回線を圧迫しますし、時間もかかり過ぎてしまいます。
iTunes でもバックアップに要する時間は短いほど楽でいいですよね?
ですから、iOS 本体とか、個々のアプリの本体はバックアップされません。
個人的な設定とか、データ(写真など)だけがバックアップされます。
で、iTunes の場合は、iPhone の同期で iPhone でダウンロードしたアプリが iTunes にコピーされます。

復元時にこの差が出てきます。
iTunes の場合は復元時に iOS 本体のバージョンを確認して該当するパッケージをダウンロードし、iPhone に復元します。そして、iTunes 内に保存されているアプリとデータを iPhone に復元します。
iCloud の場合は iOS 本体のダウンロードだけでなく、各アプリも App Store から再ダウンロードされます。もちろんデータもですね。
ですから復元に時間がかかってしまうのと、アプリはその時点で App Store にあるものがダウンロードされます。
つまりアプリは最新バージョンで復元されてしまいますし、何らかの理由で App Store から削除されたアプリは復元出来なくなってしまいます。
iTunes の場合は、App Store から削除されていても、iTunes に同期して保存されていれば復元可能ですし、意識的に古いバージョンを利用している場合も、iTunes 内の古いバージョンが復元されるので、勝手に最新バージョンにされてしまう事がありません。
そなるとバックアップも復元も早く出来るし、App Store から削除されたアプリも復元出来るし、やっぱり iTunes でのバックアップじゃなきゃって思いますよね。

でも、古いアプリを使い続けるって、特殊なケースだと思います。
普通はバグの修正とかもあるし、あえて古いバージョンを使う理由はあまりないですよね。

じゃあ、iCloud のバックアップに何かメリットがあるの? パソコンがなくても利用できるってことだけじゃないの?
実は自宅で Wi-Fi を利用できる方はには大きなメリットがあります。
それは「自動バックアップ」の機能です。
1.Wi-Fi に接続されている。
2.電源に接続されている(充電している)。
3.スリープしている(画面が消えている)。
この三つの条件をクリアしている時、iCloud の自動バックアップを設定していれば、1日一回自動的にバックアップしてくれるのです。
現実的には寝る時に充電器につないで朝まで放置というごく普通の使い方さえしていれば良いだけ。(バッテリーに悪影響などありません)
いつも明け方のネットワークが空いている時間帯にバックアップしてくれています。

普通の方は毎日パソコンに iPhone を接続してバックアップ・・・なんてとても面倒でやってられませんよね?
少なくとも私は嫌です。
で「マーフィーの法則」に従えば、バックアップを作成しようとした直前に故障したりするものです(笑)。
ですから、本当に万が一の事態でもデータを失いたくなければこの自動バックアップは必須でしょう。

その上で、古いアプリなども必要ならば、パソコンでも適時バックアップしておけば良いのです。
データはまず iCloud から復元。
その直後に iTunes でバックアップし、再度 iTunes で復元すれば、古いアプリがインストールされますから、最新のデータは iCloud から、古いバージョンや、App Store から削除されたアプリは iTunes から復元できるはずです。

だいたい「写真などのデータは大事だ! 子供の成長記録を失いたくない」などと言っている人に限って、一度もバックアップした事がなかったりします。
せめて他の方法で写真などをどこかにコピーしているならともかく、そのようなこともしないで、壊した途端「子供の写真だけでもなんとかしたい」と言い出すものです。

はっきり言って、

バックアップしていないものは二度と取り戻せない

と心得るべきです。
数万から数十万円掛ければ何とかなる事もありますが、なかなかそこまで出せないし、簡単な事でちゃんと保護できるのですから、やらない手はないですよね?

また、私の iPhone は64GB(128GB)だから、無料のサービスじゃバックアップ出来ない問いう方もおられます。
でも大容量の iPhone を買ったんですよね? そのお値段おいくらです?
月々にいくら余計に払ってます?
それなのにデータ保護のために月々 130円をケチるのですか?

転ばぬ先の杖として、月130 円がそんなにもったいないですか?
良く良く考えてみてくださいね。

バックアップなどの詳細な手順などは、過去のブログを参照してください。

追記:何がどうバックアップされているかに関しては、iOS のバージョンと共に少しずつ見直されています。
以下のアップルのサイトで最新情報を確認してください。

https://support.apple.com/ja-jp/HT204136










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